背負っていた荷物

 

今年の1月に今の寮に引越しをして以来、自分自身の考え方や、周りの環境が少しずつ良い方向に変化してきた。

 

大きな要因は2つ。

 

 

1. 過度な期待を捨てたこと

 

留学に関して、僕は過度な期待を抱いていた。それは、2年前の夏に行った、アイルランドでの短期語学留学の思い出がどれも楽しいものばかりだったからである。

1ヶ月半の間、週3回ダブリンにあるクラブに行き、毎晩のようにアイリッシュパブで飲み、たくさんの友達を作り、一人で英語ネイティヴスピーカーの向けのアイルランド国内バスツアーに参加して…

ここに書ききれない程、短期語学留学を謳歌した。

 

「コペンハーゲンの留学でも、華の留学生活が待っている(確信)」

 

というバカな期待を胸にデンマークの地を踏んだ結果、思ったように友達はできず、授業では大学院生とのディスカッションでボコボコにされるという現実と向き合うことになった。

たまたま、僕が受けている講義がそうなのか、僕の属する経済学部の英語開講の講義を取っている学生は、少なくとも80%が交換留学生を含む大学院生である。

ヨーロッパの大学生の年齢は、日本のそれに比べて高く、大学院生の中には、僕の親世代ぐらいの人もいる。

そういう人たちは家庭を持ち、働きながら大学に通っているため、「講義の後、一緒に飲みに行こうぜ!」なんて絶対にならない。

そして、大学院生たちの深く、経済学以外の学術的知識や社会的経験には、到底かなうわけもなく、プロフェッサーに質問している内容が、学部生の僕にはほとんど理解できなかった。

「講義のディスカッションにはまともに参加できない」、「友達ができない」という、ダブルパンチに加えて、当時は、住んでいた寮に関しても問題を抱えていたため、毎日が苦しくて仕方なかった。

 

「少ないけど、心から信頼できる友達ができたからいいじゃん」

「大学院生の議論に完璧についていこうとする無謀なことはやめよう」

「交換留学って、泥臭い部分もあるんだね」

 

こう思えるようになったことで、僕の気持ちは本当に楽になった。

新しく出会った人と話す時もリラックスして話せるようになり、自然と友達は増えた。また、プロフェッサーや大学院生と話す時でも、分からないことは正直に「分からない」と言えるようになり、留学に対してバラ色がかった期待を捨てることができたのである。

 

 

2. 余計なプレッシャーを捨てたこと

 

例えば、就活に対する過度なプレッシャーだ。

現在、僕の日本にいる友達は必死に就活している。彼らとスカイプをすると、「○○に面接を受けに行く」、「××系の企業志望」という話になる。

一方、僕は就活に関して何もできない。今までは、「何もできない」という、もどかしさと焦りを感じていた。

しかしながら、Just do itという記事を書いたように、自分のモノサシで他人と自分を比較することはナンセンスだ。

僕は、今「デンマーク」という素敵な国に住み、「コペンハーゲン大学」という学術的に高い評価を得ている高等教育機関に交換留学をしている。そして、creativeでcrazy(awesome)な仲間に囲まれながら、インターンをさせてもらっている。

これらの環境を生かさない手はない。

 

「環境を最大限に自分のものにしていくために、何をすべき?」

「何から手をつけるべき?」

「いかに実行すべき?」

 

このように、一人でプランを練り、いざ実行している時は、周りの人のことなんて気にならない。寧ろ、自分のやるべきことに取り掛かっているプロセスの中で、小さな喜びや幸福を見出すことができる。

 

「自分は、素晴らしい人たちや環境に恵まれている」

「ああ、本当に自分がしたい勉強やリサーチができる」と。

 

自分自身で自分の人生を作るのだ。他人の言動で、自分の軸を変える必要はない。周囲に気が散っているのは、自分のやるべきことに完全に集中できていない証拠だ。

 

「他人に迷惑かけないのなら、自分中心に物事を考えてもいいよね?」

 

それでいい。

日本にいた時、デンマークに来た直後に感じていた余計なプレッシャーは自然と消えていく。

 

 

夢の話

 

先日、寝ている間に不思議な夢を見た。

 

6年前にガンで亡くなったおじいちゃんが僕の隣に立っている。

場所は、すごく明るい場所。

しかし、どこかは分からない。

どういうわけか、おじいちゃんは僕がヨーロッパ旅行で使っている大きなバックパックを背負っている。

夢の中でも、おじいちゃんは大病を抱えていると思い、

 

「おじいちゃん、一緒に病院に行かない?」と僕は尋ねる。

 

「うーん…」と唸ってみせるおじいちゃん。

 

僕が少し強引におじいちゃんの手を引くと、

 

「うん。そうだな。」とにっこりと笑う。

 

病院に向かって一緒に歩き始めたと思ったら、視界は急に明るくなる。

 

 

ここで、夢は覚めてしまった。

ヨーロッパ旅行用の僕の大きなバッグパックには、いつも余分な荷物が入っている。予備のコンタクトレンズや着替え、スマホの充電用コード…

おじいちゃんの優しい表情と背負っていた僕の大きなバックパック。

ひょっとして、これから僕一人で背負っていくことに一緒について来てくれるっていうことなのかな。

これから抱えるかもしれない不安やプレッシャーという荷物を僕と一緒に分かち合ってくれる気がする。

そう思うと、本当に心強い。

 

 

約7ヶ月かけて、これまで背負ってきた要らない荷物を少しずつ下ろしてきた。

不思議なほど、今は心も身体も軽い。

 

「これからが自分との勝負だね」

 

そう自分に言い聞かせながら、今日もKindleを片手にパソコンに向かうのである。

 

 

写真は、自宅のリビングから撮影。まだまだ寒いが、空模様は少しずつ春へと変化していく。

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